生活衛生営業の経営診断 9

 利益の額と費用の額が等しくなる売上高(利益と損失の分れ目)つまり利益もまた損失もでない売上高のこと,売上高が収支トントンの採算点を損益の分岐点という。
 この分岐点を中心に売上高がそれを越えると利益となり,反対に売上高がこの点に達しないときは損失となる。
損益の分岐点は企業の収益性と採算を検討し,目標管理を行なう場合は,特に必要である。
@ 一定の収益を上げるのに,どれだけの売上高が必要か。またどれだけの率が必要か。
A 費用はどれだけ節約したらよいか。
B 一定の売上げの時どれだけの収益があるか。
 以上の3点が損益分岐点の目的となる。損益分岐点の求め方は,次の二つの方法があるが,(2)の図表による方法は,ごく容易に算出することができるので,多くの店舗で採用されている。

(1)計算式による方法
 損益分岐点売上高ならびに関係項目の比率を,計算の公式によって算出する方法を示すと次の算式になる。
例題を取り上げて計算してみると,
固定経費 \3,000,000
変動経費 \4,000,000
売 上 高 \10,000,000
これらの基本金額によって損益分岐点金額は\5,000,000と計算される。
(2)図表による算定方法
 グラフ用紙を使って線により算出する方法。例題の数字は上記と同額として,グラフ用紙に記録してみよう。
1) 単位100万円とする。
2) ○数字番号は線を引く順序とする。
3) 線引の説明
(イ) @売上高線――左下0点より右上角1,000万円点に線を引く。
(ロ) A固定経費線――左右へ300万円の線を引く。
(ハ) B変動経費線――左300万円固定経費より売上高1,000万円に向う(300万円の固定経費+400万円の変動経費)即ち700万円線を結ぶ。
4) @線,B線の交り線が損益分岐点として500万円が算出される。
なお,別図の方法でもよい。変動経費線を下の段に記録し,固定経費線をその上位 に引く。
売上高線と固定経費線の交り線が同じく分岐点となる。
(3)固定経費と変動経費の分類
 すべての経費を,その性質によって固定経費と変動経費の二つに分けることになるが,第7費用のつかみ方の分割基準表(P.255)並びに下表の経費分割表事例,また,下図,売上高と変動費・固定費の対比を参照されたい。

経費分割表事例

(単位:千円)

売上高と変動費・固定費の対比

(金額単位:万円)

 
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