第3章 簿記の基本原理 1
(1)開業時の記帳始め
 新たに開店するに当たっては,当然ながら資本金(元入金)の調達受入から始められ,諸設備を行い,什器備品を購入し,また業種により商品の仕入,材料の仕入など取引として計上されることになるが,これらの取引事項から記帳することになる。
 次の表が開業時の取引記帳の始めとなる。

開業時の資金調達・運用表

(開業時の貸借対照表)

平成 年 月 日現在

(2)営業途中からの正規簿記は財産調査から
 記帳の出発に当たっては,現在の時点における財産内容を明確に調査し繰越として計上することになる。もちろん,営業用に計算される資産,負債の全財産の項目別 の金額計上である。
 すなわち,家事分の財産項目は別として,現金有高,銀行預金など特に区分する必要がある。
 記帳事例として,次表の京橋商店の財産調査表の内容を参照されたい。
 資産として営業用に計上されるもの,5,943,000円,負債として営業用に計上されるもの,1,431,000円で資産総額から負債総額を差し引くと4,512,000円となる。すなわち,この差額が事業主,本人の自己資本,元入金となる。


図表 3-1京橋商店の財産調査表

平成 年 月 日現在

1.資産として営業用に計上されるもの

2.負債として営業用に計上されるもの

3.差引財産(資産総額 - 負債総額)

 科目,金額のみの一表にまとめると次表の資産負債調(繰越表,貸借対照表)のとおりである。記帳演習の事例として,取引記帳の始め,記帳取引1号となる。

図表 3-2資産負債調(繰越表)

平成 年 月 日現在

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