企業経営を繁栄させるには,計数管理が重要であることは述べるまでもないだろう。
次の図表を参照されたい。まず,A図は,計画と実践との結びであるが,その営業実践の成果
は左・右(利益・損失)の働きが不安定といえよう。
B図においては,完全に安定した経営の構図となっている。
方針計画と記帳計算と分析評価を総称して計数管理と呼んでいる。
その基礎となる事項が記帳計算,すなわち簿記が,企業経営の重要な役割といえる。
- 簿記とは,帳簿記入の中の2字をとって『簿記』と呼ぶことになるのであるが,その目的としては,
- 第1に,経営を診ること
第2に,貸借関係を明確にすること
第3に,経営成果を関係者に報告するため
第4に,税法,商法などによること
にほかならないだろう。
なんとしても,過去の経営成果を診て,次年度の正しい経営方向を見いだしていかなくてはならない。
簿記は,過去の経営数字を未来の良き数字に転換していくための重要な経営ポイントともいわれる。
ところで,経営の利益計算をする算式としては,旧来の公式では次のとおりであった。
以上の算式では,年末の決算をしてみなければ利益か赤字かわからない算式,
いわゆる成り行き経営ということができよう。
そこで, これからの新しい時代における積極的な経営算式とは,次のような公式となろう。年末の利益金は,すでに,年の当初に必要とする利益金として実行可能な金額を求めておかなくてはならない。
必要な利益金 = 目標完遂の売上高 − 完全な予算の経費
|
|
すなわち,あくまでも必要とする金額を計画し,その額を確保しなければならない。これこそ計画経営,近代化経営の方向としての経営算式といえよう。
|