生活衛生営業の経営診断 12
(1)ABC分析の必要性
 商店,飲食店の営業並びに調理・技術の効率を高めるとともに,客に商品(メニュー)の選択を容易にさせるためには,商品の数が少ないほうがよいといえる。しかし,一方,客本来の立場からいえば,豊富な商品のなかから選びたいと思うのが当然である。そこで店は,商品の数をなるべく多く,しかも効率よくしようとする。その結果 ,なるべく人気のある商品を限度一杯にまでふやすことになるが,その場合に,どのような商品にするかをよく検討しなければならない。ここに,どのような商品(メニュー)に人気があるかという分析が重要になるといえよう。
 商品の分析で,個別品目の客数・売上高を毎日調査する表をABC商品(メニュー)分析表というが,各生衛店では,この表を毎日きちんと記録計算しておきたいものである。
(2)商品(メニュー)分析の評価
 別表のABC(メニュー)分析図表を参照されたい。品名(メニュー)としてアからコまでの10品目のメニューとここではしてみた。アの品目は,この日56個の注文があり,それは全体の20%,前日も最高1位 の注文があったことなどがわかる。
 また,この日は,ア,イ,ウの三品目の注文数は合計164個で,全体の約6割にあたるものであったことも一目で明らかにわかる。さらに,エの品目は,注文数16個で7番目なのであるが,単価が1,250円と高いので,売上高としては4番目になるということもわかる。
 このようにしてみれば,メニューの変更も理論的にわかり,判断がしやすくなる。
 この表をさらに図解分析してみると次表のABC(メニュー)分析図解表のようになるが,こうすることによって,客数と売上高金額の割合がより容易にはっきりして,判断もしやすくなるので試みてほしいものである。
 とくに,ここでは客数,売上高,利益貢献状況を取り上げてみた。各商品(メニュー)別 に検討することが重要である。
 なお,ここでは,コのメニューは4個で1%となっているが,材料等のロスなども検討することによって,取止めることも一つの分析の重要な役割ということが出来る。

ABC(メニュー)分析表

ABC(メニュー)分析図解表

 
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