生活衛生営業の経営診断 22

 企業経営の体質の強弱について,基本となる項目比率を強い条件と弱い条件に区分し,主なる事項を列記してみよう。

もちろん,業種,規模別など異なる点もあるが,ここでは一般的な飲食業を取り上げてみた。他の業種については,

経営指標,原価指標等参照され読み替えてほしい。

先ず,強い企業の経営条件としては、
@ 売上高が毎年10%以上伸びていること。
A 投下した資本総額に対する利益金が15%以上であること。
B 売上高に対する利益金は8%以上であること。
C 自己資本は55%以上あること。
D 総資本に対する年間売上高は2倍以上あること。
E 現金比率(すぐ支払を要する額に対する現金,預金などの準備比率)は120%以上をのぞみたい。
F 経営者の経営方針が確立し,従業員が信頼していること。
G 店の立地条件が良く顧客サービス,販売第一を実践している店。
H 計画経営,計数管理の確立ができていること。
I 高能率かつ高賃金で従業員の士気が高いこと。
J メニューの開発,価格の適正に努力していること。
K 社員教育,技術教育,福利厚生に力をいれていること。
L 付加価値に対する意識が強く,ムダ,ムリ,ムラを排除していること。

 要は積極的な経営姿勢と計画・評価の経営実行並びに収益をあげる三原則すなわち,

商品,価格,サービスがポイントである。

次に, 弱い企業の経営条件としては、
前項の強い企業の条件の反面となるが一応弱い企業の経営条件としての経営状態を列記してみよう。
@ 売上げが伸びないにもかかわらず,積極的な手を打っていない店。
A 総資本対利益率が5%以下であること。
B 売上高利益率が3%以下であること。
C 自己資本比率が20%以下であること。
D 資金繰りが苦しく,借入金等の支払に追われている店。
E 店の経営意識が非常に低いこと。
F 従業員が常に不平不満を持っていること。
G 料理の味がまずく,値段が高いこと。
H 接客サービスの基本姿勢が出来ていないこと。
I どんぶり勘定式会計を行っている店。
J 店舗の魅力がなく,整理,整頓ができていないこと。
K 従業員の離職率が高く,希望を与えていないこと。
L 売上計画その他経営計画ができていないこと。
M なんとしても経営者自信の経営意識や原価意識が弱いこと。
 
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