改定・レジオネラ属菌防止に関する防除指針 (7)
 温泉水の成分は複雑であり、その温泉の開設時に測定された源泉水の分析値に相当する成分が現在も維持されているか、源泉水に種々の割合で水が混入されている場合にその成分がどうなっているのか,採水と分析の技術的な問題、費用等々、多くの問題点のため源泉と浴槽水を併せた温泉水の成分を的確に知ることは困難である。現段階で言えるのは、源泉水がpH5.0以下で温度が60℃以上の一方又は両方、湧出量 が多くて循環濾過を要せず、浴槽の清掃管理が行き届いている温泉ではレジオネラ属菌が検出されないことである。図8に示すようにpHが5.0以下の浴槽水からはレジオネラ属菌は検出されず、例数は少ないがpH8.5以上の浴槽水はすべてレジオネラ陽性であった。
 表7に示した様に、調べ得た15源泉水のうちアメーバが検出されたのはレジオネラ陽性であった1検体(旅館No.16)のみであった。これに対しレジオネラが検出されなかった26浴槽水のうち18検体(69%)からアメーバが検出された。
 レジオネラ属菌とアメーバとの関係が周知であることを考えると、この結果 をどう解釈するかは今後の調査・研究に俟たねばならない。
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