水泳プールでの使用が推奨されている塩素剤がレジオネラ属菌にも有効かどうか、有効ならばその最小量
と最短接触時間を知るための基礎実験を、平成6年5月10日から9月21日迄の4ヶ月余に亘って実施した(54)。
予備実験ではL.pneumophilaSG1を2株、L.dumopffii
とL.micdadei 各1株の計4株を用いた。次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を遊離塩素濃度0.2〜1.0mg/liter
(ppm)まで0.2mg刻みの5段階に調製し、被検菌各濃度の塩素液に105CFU/100mlになるよう懸濁し、5分、15分、30分、
60分後の生菌数を算定した。その結果、0.2mg/lの塩素液との接触で被検4菌株はいずれも15分以内に死滅することが判明した。
本実験(表7)ではレジオネラ属22菌種の基準株、本邦レジオネラ肺炎患者由来の4菌種37株および温泉浴槽水由来の4菌種43株、計102株を用いた。各菌株は浴槽水中の最高菌数105CFU/100ml
になるよう0.2,0.4,0.6,0.8および1.0mg/liter(ppm)の次亜塩素酸ナトリウム液に懸濁し、5,15,30および60分後に生菌数を算定した。その結果
、水泳プールに適用されている0.4mg/literの塩素の存在下で、Legionella属22菌種102株(命名上の基準株22,患者由来株37、温泉浴槽水由来株43)が15分以内に死滅することを確認した。
表7. |
レジオネラ属22菌種102株に対する0.4mg/literの殺菌効果
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命名上の地位、
菌種 |
菌株数 |
由来 |
対照実験での比較
(塩素との接触なし) |
塩素と接触後の生菌数 |
15 min |
30 min |
各菌種の基準株
| 22 |
ヒト、環境 |
+ |
0 |
0 |
L.pneumophila
その他の3菌種 |
33
4 |
肺炎患者 |
+ |
0
0 |
0
0 |
L.pneumophila
その他の3菌種 |
39
4 |
温泉水 |
+ |
0
0 |
0
0 |
計 |
102 |
|
+ |
0 |
0 |
|
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