どんな事業をしたいのか、ある程度事業分野のイメージが固まれば、次に事業内容を具体化します。このステップで詰めが甘かったり、検討漏れがあったりすると、開業資金を金融機関などから調達することは不可能です。たとえ開業できたとしても、いずれ行き詰まることにもなりかねません。
事業の内容を具体化するために考えるべき要素は、次の「4W2H」です。
何を販売するのかということです。
食肉販売店のように商品を提供することもあれば、理容業、クリーニング業のように役務(サービス)を提供することもあります。あるいは、飲食店などのように、料理(商品)だけでなくその店のもつ雰囲気や接客などを同時に提供することもあります。
誰を対象に販売するのかということです。
一般消費者を相手とするのか、あるいは特定の顧客層にターゲットを絞るのか。特定の顧客層にターゲットを絞るのであれば、商品設計、店舗設計等あらゆる点でそれに応じたコンセプトの提示が必要になります。
どこに店舗を構えるか、つまり立地のことです。
WHAT(何を売るのか)、WHOM(誰に売るのか)、HOW MUCH(いくらで売るのか)などに応じて最適な立地を検討する必要があります。飲食店などのように、業種によっては立地の選定が事業の成否に致命的な影響を与える場合もありますから、慎重に検討することが必要です。
何時から何時まで営業するのか、営業時間のことです。
午前10時から午後7時までといった通常の営業時間以外にも、深夜営業、早朝営業、24時間営業などが考えられます。顧客のニーズや利便性に合わせた時間設定を考える必要があります。
値段設定や販売価格帯をどうするのかということです。
定価販売か割引販売か。高価格品を扱うのか低価格品を扱うのか。WHAT(何を売るのか)、WHOM(誰に売るのか)に応じて販売価格帯を検討する必要があります。
どのような仕組みで販売を促進するのかということです。
例えば、ダイレクトメールを発送したり、ポイントカードをつくってポイントが貯まった人に優待販売したりするということも、ここに含まれます。
この「4W2H」は言い換えると、自分がやろうとしている事業を具体的に定義することになります。この定義は、たとえば融資を申し込んだ金融機関などに事業内容を理解してもらうためにも必要なことです。
また、他社との違い、セールスポイントを考える上での切り口にもなります。
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