1. なぜ事業計画書をつくるのか


 なぜ事業計画書をつくらなければならないのでしょうか。頭のなかに完璧な計画があるのならば、わざわざ書類に書かなくてもいいんじゃないか。あるいは、実際には計画通 りにものごとは進まないのだから、事業計画書をつくっても意味がないんじゃないか。そうお考えの方もいるかもしれません。
 でも、どんな事業であっても事業計画書をつくることをお勧めします。その理由は次の四つです。
 

▼ 1.自分の頭の整理のために  

▼ 2.第三者に説明するために


▼ 3.協力者を見つけるために  

▼ 4.開業後の軌道修正のために




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自分の頭の整理のために

 


 第1は、事業の妥当性を冷静に考えるためです。

  •  検討すべきことを漏らしていないかどうか
  • 売り上げなどを自分の思いこみだけで予測していないかどうか(客観性があるかどうか)
  • 自分に何が不足しているのか(資金、販路、セールスポイントなど)
  • 本当に事業として成り立つのかどうか

 以上のようなことを、思いこみを排して冷静に考えましょう。



第三者に説明するために

 


 第2は、事業計画を第三者に説明するためです。
 いくら綿密に計画を立てたとしても、自分一人でつくったものには見落としがあるかもしれません。あるいは、思いもつかなかったアイデアもあるかもしれません。家族や友人、取引先などの第三者に事業計画を説明することで、こうした点についてアドバイスを受けるのです。それには、きちんと書類にまとめた事業計画書が不可欠です。

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協力者を見つけるために

 
 第3は、協力者を見つけるためです。
 自分一人の力だけで開業するのは困難です。家族をはじめ、共同経営者、資金を出してくれる人、金融機関、仕入れ先、販売先、従業員など、多くの協力者が必要です。こうした協力者を見つけるには、あなたを信頼してもらえるだけの計画を形にして示さなければなりません。
 なお、金融機関に借り入れを申し込む場合には、必ず事業計画書を提出しなければなりません。


開業後の軌道修正のために

 


 第4は、開業後の経営をチェックするためです。
 どんな事業であっても、計画通りになることはまずありません。何らかの見込み違いが生じます。開業後にこうした見込み違いに対応しなければならないわけですが、それにはなにが原因かを突き止める必要があります。  たとえば、利益が思ったほど上がらなかった場合、売り上げが足りないのでしょうか、それとも原価率が高いのでしょうか。それによって対応も変わります。前もって立てておいた収支計画と現実とを比較しなければ、原因は分かりません。だからこそ、事業計画書が必要になるわけです。


<ケーススタディ>事業計画書をもとに見込み違いに対応する
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3-1.なぜ事業計画書をつくるのか 3-2.事業計画書の記載内容>> 3-3.許認可や資格が必要な事業>> 3-4.店舗をつくれない場所>>

1.具体的な準備に入る前に2.事業内容をどう決めるか3.事業計画書をつくる4.事業形態の選択肢5.資金計画6.開業に伴う届出