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昭和39年、「スナック・バー」誕生 |
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バーやキャバレーなどの風俗営業は、昭和39年の都道府県条例改正により、24時を超える深夜営業が不能となった。この条例改正を契機として深夜営業の可能な「スナック・バー」が誕生することになる。昭和50年台初め、サラリーマンを中心に、2次会需要の定番として親しまれるようになり、スナック・バー営業への賃貸を目的とする雑居ビルの建設ラッシュが出現した。以降、カラオケ施設を導入するなど全盛期を迎えるが、バブル崩壊など景気変動に伴い、法人の経費削減や顧客ニーズの変化によって需要が後退していく。
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家計支出の「飲酒代」は下降線 |
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総務省「家計調査年報」による世帯当たりの年間「飲酒代」支出は、平成15年16,851円、16年17,605円、17年17,512円、18年16,664円と推移し、平成5〜11年頃の19,000円台に比べて減少している。「食が主、飲が従」への嗜好の変化が窺える。 |
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経営のポイント |
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バブル崩壊など激しい景気変動によって法人需要が冷え込む中、飲食に関する顧客ニーズの変化や大手居酒屋チェーンの台頭等もあり、経営環境は厳しさを増している。地方都市の経済環境の変動も著しく、顧客ニーズの変化や多様化は構造的な要素を持っており、対応に苦慮するところである。
やや時間の経過した調査であるが、東京都生活衛生営業指導センター「環衛業に係る消費生活調査報告書」平成11年度において、スナック・バーに対する消費者の意識調査を実施している。
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ア |
顧客の「どんなイメージを持つか」を直視 |
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男性では「初めての店に入りづらい」36%、「料金基準が不明確」31%、女性では「初めての店は入りづらい」49%、「一人で入るには不安」44%、「料金基準が不明確」36%となる。顧客の持つ意識を直視することが重要であろう。 |
イ |
閉鎖性の打破 |
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上記「イメージ」に表れている通り、店舗の構造面においても閉鎖性が強い。経営者側でも「口コミの新規客は歓迎するが、一見客は歓迎しない」といった意識はなかったろうか。店作りや経営者自身の閉鎖性の打破が必要である。 |
ウ |
立地環境の整備 |
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上記調査で顧客が求めるものは、「気軽さ」「安心感」「明るさ」が上位を占める。一部の歓楽街等には、地元住民が出入りしない状況になっているところもあるという。立地環境の整備は必須であり、浄化運動も含めて、業界全体で取り組む課題であろう。 |
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