喫茶店の商店数は減少の一途をたどっているが、決してコーヒー離れが進んでいる
わけではない。農林水産省の調査によると、レギュラーコーヒーの消費量
は、昭和55年に約6万5千トンであったのが、平成5年には約12万トンと着実に増加してい
る。なお、総務庁「家計調査年報」の1世帯当たりのコーヒーの年間支出金額は、平成元年の7,140円から平成7年には7,712円に増加している。
また、近年各飲料水メーカーとも、より本格的なコーヒーの商品開発にしのぎを削
っている背景もあり、缶コーヒーの消費量も前年比で35%増加している。
全日本コーヒー協会の調査によると、平成7年度コーヒー推定消費量
では、喫茶店 をはじめとする家庭以外での推定消費量は前年比で41%減少しているが、家庭用の
推定消費量は18%増加している。
このようにコーヒー全体の消費量は増加し、コーヒーがより消費者にとって身近な
存在になっている中で喫茶店が減少していることは、従来喫茶店が果
たしてきた「香 り高いコーヒーは専門の喫茶店で味わう」という役割が薄れつつあることを表してい
る。
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