中華料理店の利用状況について、消費者モニター調査によって見てみよう。(「平成15年度消費者モニター等事業調査報告書」東京都生活衛生関係営業指導センター) |
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「よく利用する飲食店」は何(複数回答) |
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1位 中華料理店(ラーメン店含む)64.8%−70歳以上を除き各年齢層とも多い |
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2位 うどん・そば店46.3%−年齢層が高くなるにつれ利用増加。最多は70歳以上 |
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3位 すし店(回転ずしを含む)−年齢層が高くなるにつれ利用増加。最多は70歳以上 |
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4位 ファミリーレストラン35.0%−年齢層が低くなるにつれ利用増加。最多は20代以下 |
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5位 ファストフード店24.2%−年齢層が低くなるにつれ利用増加。最多は20代以下 |
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6位 西洋料理店−19.0%−多いのは40、50歳代 |
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7位 その他の食堂・レストラン−最多は20歳代以下 |
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8位 天ぷら、うなぎなどの専門店−50,60,70歳以上と加齢につれ増加 |
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9位 料亭、割烹等の日本料理店−多いのは60,70歳以上 |
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多種多様な外食の中で、大衆好みの中華料理が最も利用度が高く、かつて副主食的な地位
を長い間維持してきたうどん・そば店を、追い抜いてしまっている。 |
(2) |
中華料理店の利用状況(1つだけ回答) |
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「月1〜3回程度」41.0%−女性41.4%、男性39.0% |
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「2ヶ月に1回程度」18.7%−女性20.7%、男性12.7% |
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「3ヶ月〜半年に1回程度」17.5%−女性19.9%、男性10.2% |
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「週1回以上」16.4%−男性33.9%、女性10.7% |
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最多の「月1〜3回程度」41.0%は、同じモニター調査による副主食的な「そば・うどん店」の最多の「月1回程度」18.3%に比べはるかに多く、日本人の中華料理好きが、この調査でもうかがわれる。「週1回以上」を除いては、各利用状況とも男性に比べ、女性の利用割合が高いのが目立つ。 |
(3) |
店舗のタイプ別利用状況(1年以内の利用者比率) |
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「ラーメン店」73.3%−最多は30〜50歳代 |
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「大衆飯店」70.7%−最多は30〜50歳 |
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「高級飯店」48.8%−最多は30〜50歳代、次いで60歳代がやや多い |
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大衆的なラーメン店、大衆飯店は、中堅層の利用が多い。 |
(4) |
主に注文する料理 |
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高級飯店−コース料理54.0%、一品料理28.1%、定食9.4% |
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大衆飯店−定食34.8%、一品料理33.0%、麺類・飯類21.4% |
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ラーメン店−麺類・飯類80.4%、一品料理11.0%、定食7.0% |
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各業態別に、注文の内容が明らかに異なっている。 |
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よく利用する時間帯 |
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高級飯店−18時以降56.5%、11時〜14時29.0%、14時〜18時12.9% |
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大衆飯店−11時〜14時44.6%、18時以降41.8%、14時〜18時11.8% |
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ラーメン店−11時〜14時53.1%、18時以降34.2%、14時〜18時10.5% |
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大衆飯店は、昼食時間帯だけでなく、18時以降でも利用割合が多い。これは新業態の中華料理店が多くなり、夕方の開店時間が5時以降が多いためと思われる。 |
(6) |
中華料理店のメニューに望むサービス |
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@「料理名・価格の提示」64.9%−最多は20歳代以下、各年齢階層とも高い割合 |
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A「お店のお勧め料理」62.6%−最多は60歳代。各年齢階層とも高い割合 |
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B「セットメニュー」51.0%−年齢層が若くなるにつれ増加している。最多は20歳代以下 |
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C「カロリーなどの栄養表示」26.5%−50、60歳代、70歳以上に多い |
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D「メニュー表の清潔感」20.3%−最多は20歳以下、30、40、50歳代も多い |
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E「高齢者向けの特別献立」17.4%−40歳代以上順次に増加。70歳以上突出 |
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料理名、価格や本日のお勧め料理の表示を望む声圧倒的に多い。セットメニューは安くてボリューウムがあるため、若年層の希望が多い。 |
(7) |
中華料理店の接客サービスについて望むもの |
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@「落ちついて食べさせる」 |
70.5% |
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A「料理等をタイミングよく提供する」 |
50.4% |
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B「服装や身だしなみ」 |
42.0% |
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C「挨拶や言葉遣い」 |
39.4% |
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D「混雑時でも相席にしない」 |
28.0% |
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1位の「落ちついて食べさせる」と、2位の「料理等をタイミングよく提供する」は連動しているといえよう。何品か注文すると、矢継ぎ早に料理を持参する店について、顧客の食べ具合を見計らって、次の料理をタイミングよく出して欲しいという意味が込められていると思う。中華料理は冷めてしまっては味が落ちてしまう。タイミングよくテーブルに提供された料理を、一品ごとに落ちついて食べたいが@Aの要望に含まれているといえよう。重視すべきは、顧客の満足度(味、雰囲気、サービス)の三位
一体)であり、調理場の都合を優先させてはならないのである。 |