ホテル・旅館業-2005年
1 概況
2005年
(1)
旅館業は3種類に大別
 旅館業法によると旅館業は「ホテル営業」「旅館営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の4種類に大別 される。4つの業態の概要は、次の通りである。
・ホテル営業 様式の構造・設備を主とする施設を設けて行う営業である
・旅館営業 和式の構造・設備を主とする施設を設けて行う営業である
・簡易宿所営業 宿泊する場所を多数の人で共用する構造・設備を設けて行う営業である
事例:カプセルホテル、ベッドハウス、ユースホステル、山小屋
・下宿営業 1月以上の期間を単位として宿泊させる営業である
(2)
ホテルは平成11年以降再度増加、だが、減少続く旅館
 厚生労働省調べによるホテル数は、昭和50年1,149軒だったものが毎年増加をたどり、平成16年には8,811軒と7,662軒(増加率7.6倍)増と、30年間に大幅に増加している。バブル崩壊後の平成6年を境に増加数は傾向的に減少したが、平成11年を底に再び増加数が拡大転じている。特に東京都心部では再開発高層ビル内に、外資系の超高級ホテルの進出が多く見られ、高級ホテル間での顧客獲得競争が強まっている。
 一方、旅館数は昭和50年82,456軒が高度経済成長や国民の余暇時間の積極的活用を反映し、昭和55年には83,226軒に増加した。しかし、それ以降は、増加するホテルとの競合激化に伴い、廃業や業態変更が強まり、旅館軒数は減少の一途をたどっている。平成16年には58,003軒となり、ピーク時の昭和55年に比べ25,223軒も消滅している。
(3)
客室数はホテル増加、旅館減少
 ホテルの客室数は昭和50年109,998室がその後一貫して増勢をたどり、平成16年には681,025室増加している。30年間におけるホテル数の増加率7.6倍に比べ、客室数は6.2倍と少ない。
 旅館客室数は昭和50年902,882室が昭和62年1,027,536室まで増え続けたが、63年以降減少しだし、平成16年度には870,851室まで後退している。ピークの昭和62年に比べ156,685室減少と、17年間で15.2%減少している。
2 旅館業の業態の変化
  ホテルの施設は、本来経営企業が旅館を取得するのが通 例になっていたが、近年は所有形態、運営方法などが多様化する傾向が強まっている。
所有形態の多様化
経営する企業が、施設をリースで賃借するケースや、信託会社から信託を受けて経営する方式が、特にホテル業で増えている。
運営管理の委託
これまで自社で運営をしてきたが、同業他社、あるいは事業の多角化を計っている企業に経営を委託する方式である。
FCシステムへの参加
本部から、経営の指導が受けられ、本部のブランドが使えるFCシステムへの参加
倒産などのホテル・旅館の再生事業による参入
倒産・廃業のホテル・旅館を安価な価格で買収、宿泊料金を低廉にして大量 に宿泊客を取り込む経営手法、バブル崩壊以前には見られなかった現象である。
3 「旅館業法」で見る旅館業の仕組み
  旅館業法が施行されたのは昭和23年7月である。以下、旅館業法により旅館業界の内容を見てみよう。
(1) 旅館業の定義
 旅館業法では、旅館業は「宿泊料を受け入れて人を宿泊させる営業」と定義している。つまり、旅館業は「宿泊料を受け取ること」が必須条件となっており、宿泊料を徴収しない場合は、旅館業法の適用は受けない。宿泊料は名目にかかわらず、実質的に部屋や寝具の使用料とみなされるものは含まれる。例えば、休憩料、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代,光熱水道費、室内清掃費などは宿泊料とみなされる。
 「宿泊」とは「寝具を使用して施設を宿泊客が利用すること」となっており、生活の本拠を置くようなアパートや間借り部屋などを賃貸する貸室業、貸家業は旅館業には含まれない。
(2) 旅館業の種類
 旅館業法では、旅館業をホテル営業、旅館営業、簡易宿泊所営業、下宿営業の4種類に定めている。旅館業法施施行令で定める構造設備基準については、ホテル営業、旅館営業、簡易宿泊所営業の内容を以下に示してみよう。
ホテル営業
@ 洋式の構造・設備を主とする施設を設けてする営業で、客室数は10室以上
A 1客室の床面積は9?以上で、寝具は様式のものを使用。客室の出入り口および窓が施錠できること
B 適当な数の洋式浴室またはシャワー室を設け、適当な規模の洗面 設備と規模に応じた暖房設備を有すること
C 便所は水洗式かつ座便式で、共同用の便所は男女の区別 があること
D 設置場所は学校等の周囲がおおむね100メートルの区域内にある場合、ホール、その他の設備の内部を見通 すことを遮る設備を設けること
旅館営業
@ 和式の構造・設備を主とする施設を設けてする営業で、駅前旅館、温泉旅館、観光旅館のほか、割烹旅館が含まれる。民宿も該当することがある。
A 客室数は5室以上で、客室の面積は7?以上であること
B 入浴設備、洗面設備は、適当な規模の設備を有し、便所は適当数を有すること
C 設置場所は学校等の周囲がおおむね100メートルの区域内にある場合、ホール、その他の設備の内部を見通 すことを遮る設備を設けること
簡易宿所営業
@ 宿泊する場所を多数人で共用する構造・設備を設けてする営業。例えばベットハウス、山小屋、スキー小屋、ユースホステル、カプセルホテルが該当する。
A 客室は延面積33?以上であること。ただし、農林漁業者が農村休暇法に定める「農林体験民宿業」は、面 積要件を適用しない
B 階層式寝台を有する場合、上下段の間隔はおおむね1メートル以上であること
C 入浴設備は適当な規模の設備を有すること。洗面設備、便所は適当数を有すること
下宿営業
1月以上の期間を単位として宿泊させる営業、ただし、旅館業法には名称についての規定がないため、旅館の許可を取得しながら「○○ホテル」を名乗る旅館が多く、施設の名称と経営内容が一致しない現象が見られる。
(3) 営業の許可および運営上の衛生基準
 旅館業を経営するものは、都道府県知事(保健所設置または特別 区にあっては、市長または区長)の許可が必要である。旅館業の許可は、旅館業法施行令で定める構造設備基準に従っていなければならない。また、旅館業の運営は、都道府県条例で定める換気、採光、照明、防湿、清潔などの衛生基準に従っていなければならない。
(4) 環境衛生監視員
 旅館業の施設が衛生基準に従って運営されているかどうか、都道府県知事(保健所設置または特別 区にあっては、市長または区長)は環境衛生監視員から報告を求め、立ち入り検査をすることができる。この業務は環境衛生監視委員が行う。
(5) 宿泊させる義務と宿泊名簿の備え付け
 旅館業者は、伝染病の疾病にかかっている者、風紀を乱す恐れのある者等を除き、宿泊を拒むことはできない。また、宿泊者名簿を備えておかなければならない。
(6) 改善命令、許可取り消し、または停止
 都道府県知事(保健所設置または特別区にあっては、市長または区長)は、構造設備基準または衛生基準に反するときは改善命令、許可の取り消し、または営業の停止を命ずることができる。
4 ホテル・旅館業の特性
  一般的には、旅館業法の4分類と異なり、以下のような呼称が用いられているので、それぞれの特性を紹介しておこう。
【ホテル業】
都市型ホテル
@
シティホテル
大都市中心に宴会場やレストランなどの付帯設備が完備しており、宿泊以外にも会議、宴会、婚礼等を行うなど、多くの機能を複合させている多機能型ホテル
A
コンベンションホテル
多機能ホテルの複合型機能に加え、大規模な会議場や展示場を備えているホテル
B
コミュニティ(Community)ホテル
大都市郊外や地方の中核都市にあるホテル。観光客、ビジネスマンなどの宿泊のほか地域社会(Community)において、地元の企業や地域住民などが交流の場として、会合、講演会などの催し、宴会、飲食などの利用頻度が高いホテル
C
エコノミーホテル
駅前、中心商店街など交通至便な場所に立地。早朝チェックアウト、他の観光地への乗り継ぎのための宿泊用としての利便性提供ながら、宿泊料金を低く設定したホテル
D
ビジネスホテル
基本的にはビジネスマンの出張旅費の範囲内で宿泊可能なホテル。駅前など便利な立地が多い。1人用の洋室主体に、清潔と快適感を売り物にしている。部屋の中にユニットバスとトイレットがあり、ドアーの鍵はオートロックでプライバシーが守れる。近年、宿泊以外の機能を徹底して省いて低廉な宿泊料金を設定し、簡単な朝食を提供する宿泊特化型ホテルが増えている。
E
リゾートホテル
リゾート(Resort)とは、海辺や高原などに滞在して保養や休養、あるいはテニス、スキーなどの活動が楽しめる保養地、行楽地のことをいう。リゾートホテルは、このような目的に沿って設計・建設されたホテルであり、各種のリクレーション施設が併設されているのが特徴である。
【旅館業】
@
温泉旅館
古くから農閑期の保養や病気療養などのために湯治場として利用されていた温泉地にある旅館。
A
観光旅館
観光地としての知名度、観光資源などに依存した旅館。観光地の盛衰の変遷に伴って入り込み数が大きな影響を受ける。人気が後退している観光地では、廃業に追い込まれる旅館が少なくない。
B
割烹旅館
主たる目的は、地元の素材を使ったりした高級日本料理の提供、それに宿泊機能を備えた旅館
C
ビジネス旅館
宿泊機能に特化し、人的なサービスを極力省力化して、低価格でビジネスマン、行商人などに宿泊施設を提供する旅館
5 従業者規模別の事業所数などの動向
(1)
減少傾向に歯止めがかからない旅館・ホテル業の事業所数
 平成16年の全国の旅館・ホテル業の事業所数は、総務省の事業所・企業統計調査によると52,156軒で、13年と比べると4,668軒減少(8.2%減)している。
 従業者数は693,091人で、13年に比べ38,136減(5.2%減)となっている。1事業所当たりの従業者数は13.2人で、13年12.9人に比べ増えている。
(2)
4人以下が大幅減少、200〜299人規模のみが微増
 平成16年の従業者規模別の事業所数は、4人以下は26,409軒で13年調査に比べ3,131軒減少し、減少率は10.6%減で、全体の8.2%減を上回っている。5人以上は、25,747軒で、13年に比べ1,537軒減少、減少率は5.6%と全体の減少率8.2%を大きく下回っている。5人以上の規模のうち13年に比べ増加しているのは200〜299人規模の5件増(2.8%増)のみであり、他の規模は13年に比べ50〜99人規模のみが、0・6%増加しているのみである。
 従業者規模別の事業所構成比は、全体に対して、1〜19人規模が86.7%と多数を占め、20〜49人8.6%、50〜99人2.7%、100〜199人1.2%と、規模が拡大するにつれ、構成比は極端に少なくなる業界構造にある。また、旅館業は、資本を多く要する業種だけに法人が圧倒的に多いイメージをもちがちだが、実態は個人別 事業所数割合の51.4%(平成16年)と過半を占めている。
(3)
ホテル平均客室数は旅館の5倍
 16年の業態別の平均客室数(B÷A)をみると、旅館営業では平均客室数が15.0室にとどまっているが、ホテル営業はこれをはるかに上回り、平均客室数は77.2室を持って営業している。このように、ホテル・旅館業は平均客室数でみると、業態による二極化が顕著となっている。

ホテル・旅館業の事業所数等の推移
(単位:軒、%)
調査年 事業所数
全体
ホテル営業 旅館営業
施設数
客室数
平均客室数
(B÷A)
施設数
客室数
平均客室数
(B÷A)
平成8年 (96.4)
64,382
(107.1)
7,412
(108.1)
556,748
75.1 (97.3)
70,393
(99.7)
1,002,024
14.2
11年 (93.3)
60,131
(109.4)
8,110
(110.0)
612,581
75.5 (97.3)
66,766
(96.6)
967,645
14.5
13年 (94.5)
56,824
(103.1)
8,363
(104.1)
637,850
78.6 (94.9)
63.388
(97.4)
943,377
14.9
16年 (91.8)
52,156
(105.4)
8,811
(106.8)
681,025
76.3 (91.5)
58.003
(92.3)
870,851
15.0
注1 ( )内は前回調査比である。 (注) ( )内は構成比である。
業態別の内訳は営業許可区分による。
事業所数全体と業態別合計とは一致しない。
業態別の推移のホテル営業、旅館営業の平成13年の数字は、
年度末現在である。
資料:事業所数全体は総務省「事業所・企業統計調査」、業態別 は厚生労働省「衛生行政報告例」

 

6 旅館業の経営状況
  旅館業の経営の実態を、(社)国際観光旅館連盟「国際観光旅館営業状況等統計調査」(平成17年度版)で見てみよう。
(1)
北海道は宿泊、売店の両部門で売り上げ1位、飲食1位 は四国
 売り上げの部門構成を全国平均で見ると、宿泊70.0%、飲食14.5%、売店7.7%、その他7.8%となっている。宿泊割合が平均70.0%より多い地区は、北海道74.2%、伊豆箱根72.3%、近畿71.3%、中部70.5%、九州70.3%と、9地区のうち5地区である。最も少ないのは、四国で66.5%である。
 飲食(宴会・レストラン)では、全国平均の14.5%を超えている地区は、四国21.2%、東北18.2%、九州17.3%、中国17.0%、関東甲信越15.0%、近畿14.6%で、9地区のうち6地区と多い。最も少ないのは、北海道で9.4%である。
 売店の全国平均7.7%を超えている地区は、北海道10.9%、東北9.3%、伊豆箱根7.9%と、わずか3地区に過ぎない。最も少ないのは、四国で4.3%である。
(2)
宿泊単価の最高は伊豆箱根、北海道は格安。規模別では小旅館が最高料金
 宿泊単価は、平均13,221円である。この平均を超えている地区は、伊豆箱根14,993円、近畿14,979円、四国15,261円、中部14,543円、中国14,603円である。最も宿泊単価が低いのは北海道10,262円で、最高に高い伊豆箱根に比べ4,731円も安い。
 客室数を基準とした規模別にみると、最も高いのは小旅館(30室以下)で17,860円、2番目は中旅館(31〜99室)で13,637円、最も低料金は大旅館(100室以上)で12,804円となっている。大旅館は全国平均の13,221円より低く、小旅館に比べ5,056円も低い。
(3)
最高稼働率は伊豆箱根、規模別では大旅館
 定員稼働率は全国平均39.5%である。全国平均を上回っている地区は、伊豆箱根42.6%、関東甲信越42.1%、中部40.4%、北海道39.6%の4地区である。最も稼動率が低いのは九州36.4%である。客室規模別 に見ると、大旅館が42.5%で最も高い稼働率を示している。2番目は中旅館で35.5%、最も低いのは小旅館で28.9%である。
 宿泊単価と客室定員稼働率を組み合わせてみると、大旅館は低単価・高稼働率、小旅館は高単価・低稼働率で、経営方針の違いが数字に表れている。
(4)
1客室当たり従業員数がダントツに多い四国
 1客室当たり従業員数(従業者に常勤パートを含める)は、全国平均1.13人である。地域別 に全国平均を上回っている地区は、四国1.76人、中国1.38人、中部1.26人、関東甲信越1.23人、伊豆箱根1.22人の5地区となっている。最も少ないのは北海道で0.76人である。北海道は宿泊単価が9地区で最も安く、客室稼働率が最高に高いが、1客室当たり従業員数が最も少ないという特性がうかがわれる。
(5)
送客手数料率は大旅館が高率
 旅行代理店からの宿泊客斡旋に対し支払う斡旋手数料(送客手数料)の売上高に占める割合(送客手数料率)は、全国平均で7.6%である。規模別 に見ると大旅館8.1%、中旅館6.9%、小旅館4.9%で、大旅館では旅行代理店からの宿泊客斡旋が多いことを物語っていることを物語っている。
7 ホテル業の経営状況
  ホテル業の経営状況を、(社)全日本シティホテル連盟の資料で見てみよう。
(1)
客室単価
 (社)全日本シティホテル連盟の「客室料金調査」(2005年1月現在)の客室単価(素泊まり料金で税別 単価)は全国平均で、シングル6,752円、ツイン12,050円である。シングルの客室単価で全国平均を上回っている地区は、関東8,281円、近畿7,063円で8地区のうち2地区のみであり、地域格差が著しい。最低は北海道の5,653円で、最高の関東に比べ2,628円も低い。
 ツインの客室単価で全国平均を上回っている地区は、関東13,800円、近畿12,460円の2地区のみである。ツインもシングルと同じく地域格差が大きい。最低は中国・四国の10,527円で最高の関東に比べ3,273円も低い。
(2)
最高客室稼働率は東京都、最低は山形県
 客室稼働率を(社)全日本シティホテル連盟「平成16年度都道府県別 の客室利用率調査」で見ると、全国平均は67.4%である。都道府県別 に稼働率の高い順位に見ると、東京都79.2%、滋賀県79.1%、千葉県75.7%、京都府75.3%、大阪府75.2%となっている。逆に稼働率の低い順では、山形県48.7%、愛媛・高知県52.6%、青森県52.8%となっている。東京都と山形県とでは26.4ポイントの差がある。(注)調査がない群馬県、富山県、佐賀県、熊本県、沖縄県は含まない。
8 家計調査年報で見る旅行費の支出状況
(1) 国内パック減少、海外パック増加
 総務省「家計調査年報」によると、平成17年の1世帯当たり国内パック旅行費は41,039円であり、前年と比べると約3,000円も減少(5.7%減)している。一方、外国パック旅行費は18,376円となり、前年に比べ約2,000円増加(12.5%増)している。
(2) パック旅行費の最多支出は、国内、海外と60〜69歳
 同調査で、国内パック旅行費を年齢階層別世帯でみると、最多支出の60〜69歳は559,123円、次いで70歳以上が49,459円であり、最多の60〜69歳は全世帯平均の1.4倍になっている。なお、60〜69歳以下の層でみると、世帯年齢が若くなるにつれ、支出額は少なくなり、29歳以下は21,737円と全世帯平均の約半分である。最多支出の60〜69歳は、29歳以下の2.7倍と年齢間の格差が著しい。
 一方、海外パック旅行費の最多支出も60〜69歳であり、32,226円である。ついで、50〜59歳が18,225円であるが、60〜69歳に比べると約14,000円も少ない。最小支出は29歳以下で3,894円と、全世帯平均の約半額である。最多の60〜69歳以下は全世帯平均の1.8倍である。
(3) 都市別支出状況
 同調査による都市別支出の国内パック旅行費をみると、最多支出は奈良市73,713円、次いで津市61,168円、静岡市56,301円となっている。一方、支出が少ない順では、那覇市19,740円、次に高知市25,270円熊本市26,140円の順となっている。最多の奈良市は全国平均の1.8倍で、約33,000円も多い。外国パック旅行費を多い順にみると、さいたま市53,933円、次いで横浜市41,141円、仙台市34,482円となっている。最多のさいたま市は全国平均に比べ2.9倍で、35,000円も多い。一方、少ないのは京都市、大分市で些少に過ぎない。
9 最近の動向
 国土交通省の「観光白書」(平成16年版)により、最近の日本人の旅行の動向を見てみよう。
(1)
増加する海外旅行者数
 平成16年度のわが国の国民の旅行消費額は、海外旅行を含め28兆円で是年度に比べ4.7%増となっている。そのうち、国内分が22兆円で、海外旅行分は5兆円である。海外旅行の全体に占める割合は19%と少ないが、海外旅行者数で見ると、16年度は1,744万人と前年度比で31.9%と急増している。
 外国旅行者国際ランキングでは、平成15年では1,329万人で、世界では15位 でイタリアに次いでいる。1位のドイツは7,460万人で、日本の5.6倍に及ぶ。
 アジア圏では1位マレーシア3,220万人、2位中国2,022万人、3位 が日本で1,329万人である。4位は韓国708万人、5位台湾592万人、6位 インド535万人、7位香港442万人の順となっている・
(2)
国内旅行業者の取り扱い金額
 平成16年は、国内・海外旅行を合わせた旅行業者の総取扱金額は、7兆3千億円で前年に比べ、3.8%増加している。平成8年9兆9千億円をピークに傾向的に後退していたが、16年に8年目にして回復している。とはいいものの、ピークに比べ25%減少の水準である。
 国内旅行扱いは平成8年5兆8千万をピークに16年まで続落しており、16年は4兆3千億とピークの73%の水準にまで落ち込んでいる。一方、海外旅行扱いは、平成9年4兆1千億円をピークに減少し、15年にはイラク戦争,SARS問題の影響で、2兆円第二まで落ち込んだが、16年には3兆円に回復している。
(3)
「インターネット」に旅行の申し込みが増加
 日本交通公社調査によると、平成16年は「インターネット」に旅行の申し込みは24%に達し、「旅行会社店店舗」の割合36.2%に次ぐシェアとなっている。今後も早いテンポで増加することが予想されている。
(4)
海外からの旅行者は、個人旅行が過去最高を更新
 訪日外国人旅行者数は、平成15年前半にイラク戦争やSARSの影響で減少したが、その後は増加に転じている。17年は訪日査証の緩和措置の効果 や、「愛・地球博」の開催による訪日外国人数が増え、673万人と過去最高値を達成した。
 ただし、外国人受け入れ数の国際ランキングでは、世界で30位である。また、アジアランキングでは、アジアで7位 であり1位中国4,176万人に比べ、613万人と差は大きい。
10 経営上の問題点と対応策
(1)
経営上の問題点
 国民生活金融公庫の「生活衛生関連企業の景気動向等調査」によると、小規模のホテル・旅館業の経営上の問題点は、平成16年1〜3月、4〜6月調査では、「顧客数の減少」「客単価の低下」がずば抜けて高い割合を示しており、次いで「店舗施設の狭隘・老朽化」となっている。
 これを厚生労働省「旅館業の実態と経営改善の方策」を複数回答で見ると、1位 「顧客数の減少」76・5%、2位「施設・設備の老朽化」54.9%、3位 「諸経費の上昇」38.0%となっている。この調査の発表は、平成14年6月とやや古いが、国民生活金融公庫の最近の調査に共通 しているのは、「顧客数の減少」と「施設・設備の老朽化」である。この共通 点から見て、2つの問題点は旅館業の経営において、どの時代においても規模の大小にかかわらず、旅館経営に大きな重荷になっているといえよう。また、常に解決を迫られている喫緊の課題といえる。
(2)
問題点に対する対応策
 まず、当面の対応策を複数回答により見てみよう。1位 は「食事・メニューの工夫・開発」59.7%、2位は「従業員の教育・接客サービスの充実」52.7%、3位 「施設・設備の改装50.5%」、4位は「価格の適正化を図る」31.1%、5位 「経営指導を受ける」6.3%の順となっている。これらから見て、3位 「施設・設備の改装50.5%」を除いては、目先の戦術として、顧客の満足度を高めるのは、食事と接遇の2つに絞りこんでいる。ただし「施設・設備の改装」が3位 に入っていることは、早急に改装を迫られている旅館が多いことを示唆しているといえよう。
 次に長期的な対応策としては、1位「施設・設備の改善」63.4%、2位 「パソコン等の導入」23.2%、3位「経営の多角化」16.5%の順となっている。現在の経営を維持・存続させるための最重要課題が、店舗施設の狭隘・老朽化の問題点の解決にあることが明白になっている。ただ、気になるのは、問題点が切羽詰まったものが多いのに、「対応策が特にない」15.9%で4位 になっていることである。2位の「パソコン等の導入」についてみると「パソコンを導入している」は、68.2%であり、また、売り上げの増加幅が大きくなるほど、パソコンを導入している割合が高い。
 最近では、主婦層にもパソコンが普及しており、ネットによる旅館への直接申し込みは、割引があるため、旅館側のパソコン導入はこの調査時点に比べ、大幅に増加していることが予想される。
11 旅館業の保健・福祉の設備の強化
(1)
保健・福祉への取り組み
 高齢化社会を向かえ、高齢者の旅行や身体障害者の人も多くの面 で障害に対する配慮から、旅行が増え旅館に宿泊する機会が増えている。このような状況に対応するため、旅館業では従来にも増して、保健・福祉への取り組み強化が求められている。そこで、厚生労働省「旅館業の実態と経営改善の方策」(平成14年6月)により、その状況についてみてみよう。
福祉割引制度
 福祉割引制度の実施状況は、「割引制度あり」32.4%で、「割引制度なし」が67.0%となっている。割引制度の内容については、「身体障害者」4.0%、「高齢者」5・8%、「その他」26.4%となっている。経営形態別 では、「割引制度あり」は個人経営26.9%、有限会社27.3%、株式会社37.6%で、組織が大きくなるにつれ実施状況が増えている。
高齢者向け食事メニュー
 高齢者向け食事メニューの提供状況は、「提供あり」24.2%、「提供なし」72.2%となっている。経営形態別 では、「提供あり」は個人経営19.9%、有限会社24.5%、株式会社26.7%となっている。割引制度に比べ、高齢者向け食事メニューの提供は少ない。
バリアフリーに配慮した設備の実施状況
 実施状況は40.2%である。経営主体別では、「設備あり」は個人経営17.5%、有限会社35.3%、株式会社57.3%と、株式会社が突出しているが、実施状況は過半強で十分とはいえない。設備状況の内容を重複回答で見ると、最も多いのは「階段に手摺り設置」26.6%、次いで「スロープ設置・段差解消」23.9%、「車いす用トイレ設置」16.1%、「車いす用駐車スペース確保」14.6%となっている。
 経営主体別に株式会社と個人経営と比較して格差が大きい設備をあげると、「スロープ設置・段差解消」では、株式会社37.0%に対し個人経営では5.5%、「車いす用トイレ設置」は株式会社26.0%の半面 、個人経営2.2%、「車いす用駐車スペース確保」は株式会社21.9%,一方、個人経営は3.6%に過ぎない。個人経営では、車椅子対策用設備の実施が遅れている。
分煙の状況
 客室の分煙実施は、「分煙している」9・6%、で極めて少ない。食堂・レストランスペースでの分煙は「分煙している」11.7%であり、11.7%の内訳は「仕切りあり」1.8%、「仕切りなしで分煙」7.7%、「不祥2.2%」となっている。
12 工夫している事例
 南国イメージの宮崎は、昭和30年代後半から40年代にかけて、新婚旅行のメッカであった。特に47年には、宮崎は新婚旅行の25%のシェアを占めた。しかし、その後新婚旅行は、本土復帰の夢を果 たした沖縄、そしてハワイ、グアムなどの海外に取って代わられた。さらに、旅行形態の変化が追い打ちをかけた。団体旅行が小グループ、個人旅行へとシフトしていった。宮崎の観光地としての魅力は、かつて新婚旅行のメッカからほど遠くなり、観光客の入り込み数が減少していった。
 異変は続いて起きた。平成元年、バブル絶頂期に対岸にシーガイアが進出、地元のホテル・旅館業は一段と苦戦を強いられ、バブル崩壊後、青島にあった9つのホテルのうち4館が閉鎖する羽目に陥った。「手をこまねいていては敗者になる」という危機意識を攻めの模索に変え、問題点を整理しながら、観光客の減少を補う構想を練った。それは、単に目先のその場しのぎの構想でなく、中長期的な視野を見据えた大きな構想であった。その構想は、地の利を生かし、しかも地元に貢献することを主眼にしている。
(1)
企業概況
・業種:ホテル業
・立地:宮崎市青島
・創業:昭和34年(2代目)
・設備:部屋数75室、天然アルカリ温泉
・従業員:ホテル部門39人(うちパート20人、ディサービス部門9人)
(2)
維持・存続の危機感で、部屋改造と新商品開発に取り組む
☆団体用大部屋を個人向けに改造、地の利を生かしたメニュー開発
 今後は団体旅行が減少するとの変化を読み取り、平成9年に団体客用の大部屋を減らして「シンプルでゆったりした間取りの和室」に改造。「全室オーシャンビュー」を売り物に、家族や小グループ向けにグレードアップした。今では、"部屋から見える日の出・青島の景観・温泉"の三位 一体が認知され、部屋を指定する固定客が出来るなど好評である。
 売れ筋書品開発にも積極的に取り組んだ。宮崎市自体が、これまでの「太陽と緑、神話の里・宮崎」のキャツチフレーズを「スポーツランド宮崎」に変更し、プロ野球やJ1、J2サッカーチームの春季キャンプの招聘運動に焦点を合わせ、ファン向けに「プロ野球応援パック」を新たに売り出した。また、宮崎市観光協会主催のウォーキング大会に合わせて「宮崎ツーデーマーチ」宿泊プランを追加している。とにかく新規顧客を開拓し、それをリピータに結びつけることに最大の努力をした。
(3)
経営基盤安定のための3つの問題は,景気上昇でも解決不可能の難問
 当ホテルが今後経営基盤を安定させ,成長を図るのには解決しなければならない難問を抱えていた。問題点は3つあった。
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まず,宿泊客の減少、客単価の低下が恒常的な問題になってきていることである。根本的な打開策は待ったなしの喫緊の課題であった。
A
2つ目は、旅館施設の遊休資産の存在である。1階の多目的ホール360平方メートルはかつての繁栄していた時代の遺物で、たまに会議室に使うぐらいしかなく、宝の持ち腐れ同然であった。これを活用する方策があるのか、資産効率の改善を図ることも過大だった。
B
3番目は、リゾート地だけに観光客の入り込み数の季節変動が大きくならざるを得ない。特に労務管理に手を焼いた。
 これら3つの問題は景気が上昇すれば解決される問題ではない。どちらかというと,構造的な問題だけに根は深い。思案に思案を重ねても良い解決策は浮かんでこなかった。
(4)
舞い込んできた問題解決のための事業の提案
   ある日,宮崎県旅館ホテル生活衛生同業組合を通じて,福岡市にある介護事業の総合コンサルティング会社から,介護事業兼業の話が持ち込まれた。面 会したスタッフがもたらしたディサービスのメリットは次のようなものであった。
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設備や接客マナーなど、ホテルのノウハウが生かせる
A
ホテルが昼間稼動していない時間帯に有効活用できる
B
シーズンに左右されず、1年間通して安泰的な収入が得られる
C
地元密着型の経営ができる
 提案された新事業のメリットは、経営者が思案していた構想にまさに合致するものであった。これは、ホテルの施設を活用した新規事業でありリスクを伴うが、高齢化社会を迎え、今後も高齢者が増える人口構成からして、将来における方向性が明確に描けることを確信し、ディサービス事業への参入に賭ける決意をした。
(5)
どのようにしてディサービス事業を開発したのか
 ディサービス業は、従来のホテル業の別部門として平成15年8月にホテルの1階に指定通 所介護所の営業を開始した。もちろん,ホテル業界では初めての試みである。新事業は、次に示す5つの新しい方法を組み合わせたものである。
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新しいサービスの創出
新規にディサービス事業を開発し、ホテル業と併業。健康チエック、機能回復、食事提供、温泉入浴など新しいサービスを創出。時間は朝10時から午後4時までで、宿泊客がいない昼間の時間帯を使い、温泉の大浴場や宴会場が活用できる。食事はホテルのシェフが手がける。献立は経営者、調理、ディサービス部者3者が集まり献立会議を開き、お年寄りの嗜好に合わせたメニューを組んでいる。
A
新しいサービス提供の設備を設置
旅館の1階の多目的ホールを5千万円かけて改造。機能訓練室、健康相談室などのほか、掘りごたつを備えた静養室、日向灘と青島を見晴らすことが出来るサンデッキ、足湯などのディサービス施設を設け、ゆったりと過ごせるように配慮している。
B
サービスを供給する新しい人材の確保
旅館業の従業員とは別に、ディサービスを専門的に行う介護資格者などを新たに採用。
C
新しい客層の開拓
地域の高齢者に対して、ディサービスの提供で、ホテル業とは異なる新しい客層を開拓
D
新しい組織の創出
ディサービス部門の新組織を構築。介護職員、看護職員、機能訓練指導員、生活指導員などスタッフ9人で組織化、チームを組んで看護に対応している
(6)
新事業は順調に推移、2年目には売上高全体の14%までに成長
 ディサービス事業は、開業以来、利用者数は順調に増え、完全に採算ラインに達している。平成16年末現在、介護認定を受けて契約している人は130人に達している。当初、受け入れ最大枠は30人だったが、35人に枠を拡大、月ベースに換算すると延人数で600人になる。平成16年のディサービス部門の売り上げは5,500万円であり、売上高全体の14%に達している。ある程度の安定的な収入を確保するという経営者の思惑は的中したといえる。
(7)
将来にかける期待
 経営者の将来にかけるディサービス部門の期待は大きい。平成16年における青島地区の高齢化率は33%にも達し、全国の21%をはるかに上回っている。今後もますます少子・高齢化は確実に進行する。これを踏まえて収容能力を平成16年の知己月600人を最大720人に増やす目標を立てており、年間売上高にして7,800万円だ。平成16年に比べ42%増の計画である。この背景には、「地域の高齢者の皆さんにディサービスを積極的に利用していただき、地元密着型のホテル事業を今後とも充実させたい」との信念にあるように、地元に貢献したいという高い志が秘められているのである。
 また、本業のホテル部門については、取り組み中の「スポーツ合宿プラン」「昼食などによる日帰り客の増加策」「地元客の掘り起こし」などを、今後とも地道に進めていく計画の実現に向け注力している。
資料
:国民生活金融公庫「後継者による生活衛生関係営業の経営革新事例」平成16年
【業界豆知識】
・農村休暇法(「余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」(平成7年4月施行)
  目的は、@農村滞在型余暇活動に資するための機能整備の促進、A農村漁業体験民宿業の健全な発展を図ることにある。
・グリーンツーリズム(Greentourism)
  農村休暇法に基づき、都市と農村の交流促進を図るための余暇活動の名称。緑豊かな農山漁村で、自然・文化・人々との交流を楽しみながら、ゆとりある休暇を過ごす滞在型の余暇活動をいう。
・政府登録国際観光ホテル
  「国際観光ホテル整備法」に基づき、外国人観光客の積極的な誘致を図るための受け入れホテル。広い客室、洋式トイレを有する、外国語で対応できるといった基準を満たせば、政府登録国際観光ホテルの指定が受けられる。
・温泉とは何か
  温泉の定義は温泉法(昭和23年施行)で定められている。条件としては@泉源における水温が摂氏25度以上、A温泉法で指定された化学成分19種類のうち、いずれか1つ以上の成分が1kg中に規定された量 が含有していること。この2点のうちどちらかに当てはまれば温泉と名乗れる。
【トピックス】
・受動喫煙防止措置とは何か
  健康増進法が平成15年5月1日に施行され、それに伴い集客施設などの管理者は受動喫煙(他人のたばこの煙を吸和させられること)の防止が義務付けられている。健康増進法第25条の対象となる施設は「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店、その他多数の者が利用する施設を管理するものは、これらを利用する者について、受動禁煙を防止するために必要な措置を講じなければならない」と定めている。この法律の施行により、ほとんどの生活衛生関係営業者は、受動喫煙防止措置を講ずる必要性が生じている。
・受動喫煙とは何か
  健康増進法によると、受動喫煙とは「室内またはこれに順ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義している。他人のたばこの煙は「副流煙」といわれ、喫煙者が吸う「主流煙」に比べ、有害物質が何倍もの濃度で含まれていることが報告されています。非喫煙者が副流煙を吸わされることは、さまざまな病気を発症させる一つの要因となっています。特に発ガン物質ジメチルニトロソアミンが副流煙には多量 に含まれている。そこで、非喫煙者を副流煙から守るため受動喫煙防止措置を講ずる必要があるわけである。
受動喫煙防止措置の具体的方法
  受動喫煙防止措置には、大別して@施設内を全面 禁煙にする方法、A施設内を分煙する方法とがある。
@
全面禁煙
  受動喫煙防止対策の上では、最も望ましい方法である。灰皿の処理コスト、壁紙・エアコンのフィルターの汚れの清掃など費用が不要でコスト削減になる。また、宴会場の畳や床、テーブルクロスなどの焼け焦げの防止につながる。特に、妊婦や幼児、子供連れの顧客に安心感を与え、安心して飲食が出来るなどのメリットがある。
A
完全な分煙
  禁煙エリアにたばこの煙が流れないように、喫煙席(別の部屋)を設置する。特に禁煙エリアや非喫煙者の動線上、例えばトイレに行く通 路、バイキングやフリードリンクコーナー周辺やそこへ行く通路、レジ周辺、禁煙エリアとレジや出入り口との間の通 路などに、たばこの煙が漏れたり、流れたりしないように配慮する必要がある。
・不完全な分煙は違法
 分煙が次のような場合は違法となる。
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禁煙エリアが指定されていても、禁煙エリアにたばこの煙が流れてくる場合(喫煙席周囲に間仕切りがないなどによる場合)
A
非喫煙者の動線上にたばこの煙が流れてくる場合
  特に注意しなければならないのは空気清浄機や分煙機が設置されていれば、受動喫煙防止対策が実施との誤解である。これらが設置されていても、たばこの煙の中の有害物質は、大半が素通 りしてしまうからである
北海道庁の「空気もおいしいお店」の推進事業
  喫煙率が男女とも全国平均を上回る北海道では、平成14年度から飲食店に対する受動喫煙防止推進事業として「空気もおいしいお店」の推進事業を始めている。対象は政令都市である札幌市の俗北海道内にある飲食店が対象であり、認証店は平成18年6月末現在で421店に増えている。
  飲食店に対する同様の認証制度の取り組みは、全国の地方自治体でも行われ出しており、受動喫煙防止策を飲食店の経営者のみに任せるのではなく、行政の仕組みとして整備することで、小規模飲食店への浸透を促進することを狙いとしている。
  資料:国民生活金融公庫「生活衛生だより」No.135 2004年10月

 

資料

  1. 総務省「事業所・企業統計調査」
  2. 総務省「家計調査年報」
  3. 厚生労働省「衛生行政報告例」
  4. (財)東京都生活衛生営業指導センター「環衛業に係る消費生活調査報告書」平成7年度
  5. 金融財政事情「企業審査事典」
  6. 中小企業リサ−チセンタ−「日本のレジャ−関連産業」
  7. 国民生活金融公庫「生活関連企業の景気動向等調査」
  8. 国土交通省「観光白書」平成15年4月
  9. 「生活衛生関係営業ハンドブック2005」中央法規
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