3. 収支計画



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収支計画の考え方

 


 収支計画は、売上高、売上原価、経費の三つから成り立っています。売上高が決まれば売上原価はだいたい決まりますので、じっくりと見積もらなければならないのは、売上高と経費です。開業当初と営業が軌道に乗った後の2時点について計算してください。
 一般的に、売り上げは過大に、経費は過小に見積もりがちなので気をつけてください。ここできちんと計算しておかないと、開業後の経営をチェックすることができなくなります。



売上予測

 


 主な売上予測の方法は次のとおりです。業種の特性を考えて最適な計算方法を選んでください。できれば複数の方法で試してみて、厳しいほうの数字を採用するのが望ましいでしょう。

@ 設備単位当たりの売り上げをもとに計算する方法(飲食業、理美容業、旅館業等)
  (算式)客単価×設備単位数×設備単位当たり顧客回転数×稼動率
(事例)理容店
    ・客単価 3,950円
    ・理容椅子2台
    ・1日1台当たりの回転数 4.5回
    ・稼働日数 月25日

    売上予測(1か月)=3,950円×2台×4.5回転×25日=88万円
A 店舗面積当たりの売り上げをもとに計算する方法(店舗売り主体の販売業等)
  (算式)1月当たり売上高×売場面積
(事例)コンビニエンスストア
    ・1月当たり売上高(月間) 15万円
    ・売場面積 100u

    売上予測(1か月)=15万円×100u=1,500万円
B 従業者1人当たりの売り上げをもとに計算する方法(労働集約的な業種)
  (算式)従業者1人当たり売上高×従業者数
(事例)自動車小売業
    ・従業者1人当たりの売上高(1か月) 338万円
    ・従業者 3人

    売上予測(1か月)=338万円×3人=1,014万円

※ 1店舗面積当たりの売上高や従業者1人当たりの売上高などについては、「小企業の経営指標」(日本政策金融公庫総合研究所編)などで調べることができます。

 


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経費の予測

 

人件費
   正社員、パート・アルバイトに分け、予定人員に対する給与等を計算してください。
家賃
減価償却費
   導入する設備について減価償却費を計算します。それぞれの設備について次の算式で計算し、合計額を算出します。

減価償却額=投資額×0.9÷耐用年数(定額法)


  ※ 主な設備の耐用年数の目安

  •  店舗造作・・・・・・・・15〜18年
  •  建物付属設備・・・・・・15年前後
  •  車両・・・・・・・・・・4年
  •  冷暖房機器・・・・・・・6年
  •  冷蔵庫等・・・・・・・・6年
  •  接客業用家具・・・・・・5年
  •  クリーニング設備・・・・7年
  •  理美容機器・・・・・・・5年
支払利息
その他の経費
   水道光熱費、電話料、消耗品費、事務機器等のリース料等その他諸々の経費を見積もります。開業前に想定していなかった色々な出費が嵩むはずですから、多めに見積もっておいた方が無難です。

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5-1. 開業費用の見積もり  5-2. 開業資金の調達 >> 5-3. 収支計画 >>

1.具体的な準備に入る前に2.事業内容をどう決めるか3.事業計画書をつくる4.事業形態の選択肢5.資金計画6.開業に伴う届出