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相談事例

相談事例

日頃、生衛業を営む皆様が営業活動の中で、店舗の貸借・売掛金の回収等に関するトラブルなどについて、専門的なご相談に対応するため、弁護士による相談指導を実施しています。
店舗貸借のお悩みについての相談事例のご紹介です。

相談事例【店舗貸借のお悩み】

建物の建て替えのために店舗を明渡し、建て替え後の新店舗を貸借する場合、家主との契約上で留意すべき点を教えてください。

私は20年前から都内で貸店舗を貸借し、美容室を経営しています。
実は最近になって家主のほうから、敷地を有効利用するために、建物の建直しを予定している旨を伝えられました。完成は約1年後で、新しい建物ができあがり次第、1階の一部である9坪分を引き続き貸借してもよいと言ってくれています。店舗の内装と外装も、借り主である私の希望を取り入れて施工する心づもりがあるからと、明け渡しの契約について打診されました。
今の借店舗を家主に明渡すにあたり、どのような点に注意したらよいでしょうか。

〈弁護士の回答〉

現在の店舗を20年前から貸借しているということですので、このケースでは借り主側に、いわゆる借家権が発生しているものと思われます。

建物の建て替え期間中に立ち退き、新建物の完成後、新たに店舗を貸借するという場合、借り主側が家主との取り決めの中で留意すべき点は次のとおりです。

留意すべき点
  • ① 立ち退きの期間は、いつからいつまでか。
  • ② 立ち退き期間中の仮店舗を貸借する場合、家賃の負担や営業補償の有無。
    また、新店舗の内装、造作の工事費用額と、家主側の費用の負担、補償の範囲について。
  • ③ 新建物の給排水衛生、ガス設備などは、どちらがどこまで施工するのか。
    その際、工事費用の負担額はどうするのか。
  • ④ 新建物の引き渡し時期はいつか。
  • ⑤ 新建物で営業を再開するにあたって、賃貸借契約条項の事前合意について。
  • ⑥ 新建物の引き渡しが遅れた場合、家主側の損害賠償(違約金の支払い)の予定について。

少なくとも、以上の6つについて明確に取り決め、明け渡し前に書面にしておく必要があります。

とくに③の水回りの問題は、美容室を営業していくうえで最も重要なことですから、明け渡し前にあなたの希望条件を家主側にはっきりと示すほうがいいでしょう。設計図などで具体的に示して、事前に家主の同意を書面で取りつけておくよう、おすすめします。

場合によっては、工事費用の相当額を家主に負担してもらい、あなたのほうで工事を施行することも考えられます。