東京都生活衛生営業指導センターによる相談事例のご案内

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相談事例

相談事例

日頃、生衛業を営む皆様が営業活動の中で、店舗の貸借・売掛金の回収等に関するトラブルなどについて、専門的なご相談に対応するため、弁護士による相談指導を実施しています。
クレームについてのお悩みの相談事例のご紹介です。

相談事例【クレームのお悩み】

客からのクレームについて、どのように対処すべきかと悩んでいます。

都内で美容室を営業しておりますが、先ごろ、22才の女性客から髪の毛の色素を抜くブリーチを依頼されました。私としては、ブリーチを行うと髪の毛が痛むことがあると説明し、先方もそれを了解してくれたので、希望どおり、2回に分けて実施しました。 ところがその後、先方から「思った以上に髪の毛が痛んだ」というクレームが寄せられました。さらに、客とどういう関係の相手か知りませんが、素性のわからない男性から、その件に関して脅迫めいた電話が2回ほどあり、困っています。
後でわかったことですが、この女性客は私の美容室でブリーチを受けた期間中に、友人からも髪の毛に色を入れてもらったことがあるという話を聞きました。

責任の所在がはっきりとしない不当なクレームとはいえ、店の信用にも関わる問題です。
どのように対処したらよいでしょうか。

〈弁護士の回答〉

一般的なブリーチのやり方には、おだやかなものから髪の毛がかなり痛む可能性のある方法まであるようです。

あなたがどの方法を取ることにしたのか、相手の客に対してどの程度の説明を行ったのか、また相手がこれについて同意したうえで行われたのかどうか、以上のことが問題となります

あなたの場合、「色を抜いたり、入れたりすることで髪の毛が痛むおそれがある」とはっきりと説明をしたうえで相手もそれを承知して依頼したわけですから、客はその結果を自ら甘受すべきでしょう。美容室で通常行われているブリーチの方法で、「説明」と「同意」の手順を踏んで行ったものである以上は、店には責任がないと言えます。

また、ご質問でもうひとつ問題があると思われるのは、客があなたの店以外でも、同じ期間中に平行してブリーチを受けていた点です。客の髪の毛が痛んだ原因がどちらにあるのか明確にしてもらうためにも、場合によっては、診断書を求めてもよいと思います。

次に、素性のわからない人物から、脅迫的な電話があるとのことですが、これには毅然とした態度を貫くことが大切です。あなたが相手を恐れるあまり、あいまいな応対をしてしまうと、相手が図に乗っていろいろな言いがかりをつけてこないとも限りません。場合によっては、警察にこれまでの経過と状況を申し立てて、警告や捜査、その他の刑事的措置を取ってもらうことも可能です。もしも警察のほうで刑事事件になる可能性が小さいとして、容易に動いてもらえないときには、弁護士に依頼するという手立てもあります。弁護士を通じ、裁判所から「執拗に店に押しかけての面会強要や電話をかけてはならない」という旨の仮処分命令を受けることも考えられます。

このようにいくつか方法がありますが、大切なのはあなたが不当な要求に対し、断固として断る基本姿勢を貫くことです。